4C分析とは
4C(フォーシー/ヨンシー)分析はマーケティングやブランド戦略策定のため、顧客の視座に立って自社サービスを客観的に分析するフレームワーク。
「Customer Value=顧客にとっての価値」、「Customer Cost=顧客にかかるコスト」、「Convenience=顧客の利便性」、「Communication=企業と顧客間のコミュニケーション」の4つのCを表しており、経済学者のヘロバート・ラウターボーンによって提唱される。
目的
顧客の視座に立ち、自社サービスや商品の価値を考えることで、マーケティング戦略を立案する。
特に日本のB2B企業では、長らく「良い商品・良いサービスを作れば売れる」という考えに根ざした企業活動を行なってきており、近年の提供商品・サービスの差別化が難しくなった(=コモディティ化)市場競争、プロダクトライフサイクルの短縮化が進む中で、今まで以上に顧客のニーズや購買行動の変化をいち早くマーケティング戦略に反映させることが求められている。
特徴
「Customer Value=顧客にとっての価値」、「Customer Cost=顧客にかかるコスト」、「Convenience=顧客の利便性」、「Communication=企業と顧客間のコミュニケーション」の4つの項目を明らかにすることで顧客価値の最大化を実現する。
Customer Value(顧客にとっての価値)
自社サービスや商品の購入や利用・体験を通じて、顧客が得られる価値や解決できる課題
Customer Cost(顧客にかかるコスト)
「いくら払ってもいいと思うか」、「提供までにどのくらい時間がかかってもいいと感じるか」、または「利用までの移動負担」など顧客にかかる負荷・負担全般
Convenience(顧客の利便性)
顧客が自社サービスや商品の情報を手軽に収集・利用できるかのほか、利用中の問い合わせや利用後の情報を拡散するまで顧客体験上での一気通貫の利便性
Communication(企業と顧客間のコミュニケーション)
オフライン・オンラインの全てのチャネル上での顧客が企業とコミュニケーションする際の手段・方法・対応は適切か、満足しているか全ての繋がりを加味したコミュニケーション
活用シーン
ブランディングや顧客認知度の向上のほか、顧客が製品・サービスと出会い、そこから購入・契約に至るまでの道筋(=カスタマージャーニー)の設計、購入後の情報発信や顧客ロイヤリティの向上など、顧客とのコミュニケーションポイント改善等のマーケティング効果の最大化を実現するために活用。
特に以下のような状況の活用に有効。
- 製品やサービス自体での差別化が難しい場合
- 価格競争が優位となってしまっている市場
- ブランディングや顧客ロイヤリティの強化
活用上の注意点
事前に自社がターゲットとする顧客像を明確にしておく。
顧客像の解像度がぼやけていると顧客の課題やニーズの把握が不十分であったり、分析結果が広すぎることによる誤った戦略立案につながる恐れがある。イメージだけで分析を進めず必要であれば、事前にターゲットとする顧客からのヒアリングの実施も視野に入れる。